第2回「NPOマーケティング研修」

7月23日 (土)、NPOマーケティングプログラムの「第2回研修」を開催しました。

第1回目の振り返りとして「どうしてマーケティングがNPOにとって必要なのか」をもう一度確認をし、「環境分析」の重要性を押さえた上で、今回の第2回研修では「ターゲット市場を特定する」ためのステップとして
(1)セグメンテーション(市場の細分化) / (2)ターゲティング / (3)ポジショニングをテーマに研修を進めました。

(1)セグメンテーション(市場の細分化)

「セグメンテーション=市場を細分化」というのは、年齢/性別/地域…といった属性や行動パターン等で、市場を分類・整理することです。セグメンテーションでアプローチする市場を分析(細分化)することにより、組織全体のゴールが明確になる、予算や人材の配分が効率的に行える、コミュニケーション手段の効果的な選択ができる、などの利点があります。

セグメンテーションの基準となる変数は様々なものがありますが、地理的変数、人口統計的変数、心理的変数に加え、行動的変数(支援者の参加度を参加頻度により分類するなど)などを組み合わせて使うことにより効果的に市場を細分化できます。

ただし、細分化に取組み始めると、際限がなくなる作業となるため、セグメンテーションの基準( ①可測性②実行性③持続性④相互排他性⑤到達可能性)を意識しすることが必要です。また、細分化するテーマについて“モレなく・ダブリなく”(MECE)分析することも重要なポイントです。

ワークショップ1「顧客プロファイルの収集について」

サービス利用、寄付金提供、会費登録などの際に、顧客から提供してもらう顧客情報の収集に関する取り組みについて、下記の(a)と(b)を洗い出し“モレなく・ダブリなく”(MECE)を踏まえて、団体ごとにまとめました。
(a)顧客情報の取得場所/タイミング
(b)収集している顧客情報の項目

他団体の情報管理のノウハウ、情報収集する項目の内容について、団体の活動分野、規模の垣根を越えて意見交換をしました。講師の長浜さんからは、NPOキズキの書記登録情報に関して、
「最初に収集する情報は少なくするというのも大切な視点だと思います。情報を取る必要があれば、入力フォームで記入ではなくチェックボックスなどを使うなど、入力の際の壁を低くして記入者のストレスをなくす工夫も大切ですね。ただ同時に面談で情報を得るなど、現場から情報を得るという姿勢は忘れてはいけない側面ですね。」というEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)に関するフィーバックがありました。

(2)ターゲティング

セグメンテーション後は、アプローチ先を決定するターゲティングです。細分化した市場のどこにアプローチをするか、ターゲットを選定する5つのパターンの紹介があり、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。

a)単一セグメントへの集中
b)選択的専門化
c)市場特化
d)選択的特化
e)完全カバレッジ(無差別型 / 差別型マーケティング)

NPOでは受益者のニーズを見極めた上で、団体のミッションに照らし合わせ、ターゲット市場を選定することが大切です。そのためのターゲット市場の選定のために、セグメントの魅力(市場の規模&安定性や競合の有無など)や組織の必要条件(ミッションへの共感、団体の競争力、顧客に対する知識があるか)などを見直し、検討する必要があります。「組織の必要条件」について詳しく整理するために有効なのが、次のテーマの「ポジショニング」です。

(3)ポジショニング

ポジショニングとは、組織や提供しているサービスを、顧客(ターゲット)がどのように定義するか、つまり競合に対する組織/サービスの『位置』を意味します。ポジショニングの原則としては、「ターゲットの規模が適切か」 / 「組織の考えるポジショニングが顧客に伝わり、共感を得ることができるか」 / 「個々の活動やサービスが、組織のミッションと整合性があるか」を考えることが大切です。

ポジショニングを可視化するためによく使う手法が「ポジショニングマップ」と呼ばれるもので、縦軸と横軸に基準を設定し、それにあわせて分析する要素を平面上に配置していくことによりそれぞれの要素の市場に置ける立場を“見える化”することができます。

縦軸、横軸に独立性の高いものを設定することで、市場に置ける競合の位置と自団体の位置を比べてみることや、それにより今後展開の可能性のある市場の位置を発見することなどにも使えます。つまりポジショニングはまさに宝探しのように、軸を複数考えて、自団体が活躍できる場所のマッピングを繰り返していく作業です。

ワークショップ2「WEBツールのポジショニング」

5つのコミュニケーション・ツール(①ホームページ②ブログ③メールマガジン④Facebook⑤ツイッター)のポジショニングを縦軸/横軸自由に作成しました。「WEBツールのポジショニング」は団体の意見交換も兼ね、所属団体を越えたグループ4つに、フェローのグループ2つの、6グループで取り組みました。WEBツールの活用は今後のNPOの活動の大きなカギになるので、団体間で活発に意見交換がされ、短い時間のワークでしたが、次のような軸が挙がりました。

・情報量
・情報の信頼性
・コスト(金銭的、人的)
・更新までの時間、リアルタイム性
・情報の双方向性、一方的な情報発信
・情報の拡散性

追加講義:「資金調達について」

今回の研修最後は、今後のマーケティング施策を行っていく上で参考となるであろう「資金調達について」の追加講義がありました。実際にNPOにとって資金源となり得る項目についての紹介に加え、今後マーケティングの戦略を立てていく時に大切な視点についてお話いただきました。

例えばNPOの資金源である「寄付金」を増やすためにはいろいろな方法がありますが、「寄付者数」を増やすことと「寄付単価」を増やすことでは、それに対して実施する戦略が異なってきます。また「寄付者数」を増やそうと決めたとしても、「新規寄付者を増やす」のと「既存の寄付者の流出を減らす」のでも行う手法が異なってくるはずです。つまり、「どこの要素を分解し、どこに問題があるのかを明らかにした上で戦略を立て、対策を講じることが大切である」という内容でした。

ここまでで、第2回の研修「セグメンテーション / ターゲティング / ポジショニング」は終了。
皆さまおつかれさまでした。次回の第3回研修(8月6日&7日)は合宿、1泊2日の研修となります。

★長浜講師のブログでも研修について紹介されています!
NPOマーケティングプログラムの第2回目を実施! | 飛耳長目:アメリカにみるNPO戦略のヒント
http://blog.canpan.info/hijichomoku/archive/471

★当日様子をNPOサポートセンターのインターン生が、ツイートでまとめています♪
http://togetter.com/li/165506

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