第3回「NPOマーケティング研修」【合宿2日目】

8月7日(日)の第3回「NPOマーケティング研修(合宿2日目)」では、2つの特別講義と、参加団体と講師のぶつかり稽古「個別相談」の時間を持ち、今後各団体が取り組んでいくマーケティング施策について、その焦点を絞っていき、ブラッシュアップしていきました。合宿2日目は特別講義を中心に報告いたします。

◆「NPOのキャパシティビルディング支援」
講師:金村俊治氏(パナソニック株式会社 社会文化グループ 参事)
Twitter:@panasonic_cca

◆「NPOのためのWebツール活用」
講師:渡邉文隆氏(『NPOのウェブマーケティングにおける「プロボノ」の活用方法』の論文を執筆)
Twitter: @fwatanabe

Panasonic Npo Support Fund@NPOMAP#3

特別講義1:「NPOのキャパシティビルディング支援」

「NPO団体の皆さんには、本業のペースを少し落としてでも、キャパシティビルディングをする価値はある、ということを伝えたい」という金村さんからのメッセージ始まり、「Panasonic NPOサポート ファンド」を中心に、パナソニックが取り組むNPOの組織基盤強化「キャパシティビルディング支援」についてお話がありました。これは、「社会課題の解決に取り組むNPOのキャパシティビルディングを支援する公募型の助成プログラム」であり、団体の組織基盤の強化をサポートするための助成プログラムとして実施され、日本では先進的な企業のNPO支援活動となります。

パナソニックのNPO支援の最終目的としては、NPOのキャパシティビルディングからスタートし、社会課題に取り組むNPO・市民活動の持続的な発展、さらには社会課題の解決 / 社会変革につながり、貢献していくことを目指しています。

「どうしてそこまでキャパシティビルディングに価値があるのか?」キャパシティビルディング助成の特徴として、従来の事業助成では「1つの事業に対して、アウトカム/社会課題解決に貢献する」のに対し、キャパシティビルディング助成は「人材育成」「事業の開発」「マネジメント力の強化」などを通して、「団体そのもの全体のアウトカム/社会課題解決に貢献を目指している」という点にあります。

また運営の特徴として、キャパシティビルディング助成において、パナソニックは中間支援NPOと協働で企画開発・運営する”パートナーシップ”型で進めています。企業とNPOそれぞれの強みを活かせるようなシステム運営であり、「この仕組みによって、NPOの現場に即した効果的な助成プログラムを提供することが可能になっている」と金村さんは話します。

プログラムのもう一つの特徴として、助成団体に助成金を出すだけでなく、助成後の団体にノウハウが残せるように、報告書(レポート)の作成や情報の発信・共有などを通して、助成団体との関係、コミュニケーションを密にしています。

さらにキャパシティビルディングの有効性を調査した結果のデータの紹介がありました。NPO団体にどれだけ成果が出ているかを調査・分析した結果を事務局内で共有し、そこから新たに浮かび上がってきた課題に対して、今後の「Panasonic NPOサポート ファンド」が仕組み化されています。具体的には、「効果的で戦略的なキャパシティビルディング助成の展開」です。『組織診断助成』によって組織課題の抽出・深掘りし、優先課題の設定します。組織診断後、自己変革として『キャパシティビルディング助成』があり「目標の設定、課題解決 、組織の大改革」までを促す、2段階で助成する仕組みをしていくことが示されました。

2段階で助成する仕組みは、これまでの調査・分析からキャパシティビルディングが団体に定着し、成果を出すためには気をつけるべきポイントが見えてきたからです。「計画がきちんと描けていても、その前提条件となる運営上の課題の絞り込み、将来ビジョンや基盤強化の目標の明確さの点が弱いと結果に結びつかない。その部分をしっかり見つめ直すために、『組織診断助成』を重要視した仕組みにしました。」と話されました。

今後のNPO助成の展望などもお話いただき、企業のNPO支援先進事例を実感した講義でした。

特別講義2:「NPOのためのWebツール活用」

Webツールと、今回のNPOマーケティングプログラムにおける位置づけについての話から始まり、この研修で主に学ぶのはマーケティングの戦略部分で、それを、どういう手法・ツール(戦術)で、どういう運営(オペレーション)するかは今後の施策立案の核の部分になってきます。それに役立つツールをご紹介するというのが、今回の特別講義の目的です。

Webツールの活用に関して、渡邉さんから2つポイントをいただきました。
(1) 無料で利用可能なWebツールが多いが、その利用/活用には人件費もかかります。そのコスト(工数)をしっかり検討して始めて、それが達成されているのかを、振り返ることが大切です。
(2)Web ツールの利用は、使う目的を見極め、それにあったツールを選ぶ、ということが大切です。「ツールありき」にならないようにしましょう。

NPOの活動段階に沿って、それぞれ有益なWebツールが次のように紹介されました。

(1) 情報を集める
マーケティング施策の実施に必要な情報収集用のツール
・Googleアラート (キーワードで集める)http://www.google.co.jp/alerts

・Googleリーダー(ブログから情報収集する)http://www.google.co.jp/reader/

・Google Insights for Search(検索ニーズを調べる)http://www.google.com/insights/search/

(2) 認知してもらう
ステークホルダーに、団体や事業の存在に気づいてもらうためのツール
・Google Adwords(検索連動型のインターネット広告を打つ)http://adwords.google.co.jp/
人に聞きにくい言葉は検索されることが多く、そのキーワードに連動したネット広告を打つことに効果があります。

・ValuePress!(プレスリリースを打つ)http://www.value-press.com/
プレスリリースの作り方から助けてくれる初心者向けのツールで、NPOで調査をしたときなどは積極的にプレスリリースを打つことが大切です。

そのほか、
(3)理解してもらう
ステークホルダーに認知してもらった後に、団体や事業についての理解を深めてもらうためのツール

(4)アクションしてもらう
ステークホルダーに、寄付やボランティア、イベント参加といったアクションをおこしてもらうためのツール

(5)関係を深める
寄付やボランティアといったアクションをおこしてくれた人と、さらに関係を深めていくためのツール

(6)人を巻き込んで実行する
マーケティング施策をチームで行う際の情報共有やコミュニケーションを支援し、プロジェクトの進行に役立つツール

(7)効果を測定する
マーケティング活動の効果測定や検証を行うためのツール

といった段階ごとにいくつものツールとその特徴の説明がありました。

Webツールの紹介後、NPO団体の「プロボノ」活用に向けての注意点について、興味深いお話が続きました。
(※渡邉さんは『NPOのウェブマーケティングにおける「プロボノ」の活用方法』の論文を執筆しており、こちらも注目です!)

「まず前提として“プロボノは万能ではなく、成果が出ないことも多い”という落とし穴を理解しておくことが大切です。プロボノが持つ専門性とNPOのニーズのマッチングが難しい場合があることや、NPOとプロボノの間でスタンスやモーチベーションに差があることがあるといった難しさも存在することを心に留めておいてほしいと思います。」

それを踏まえた上で、「こういうNPOだとプロボノを有効活用できる」、「こんな業務がプロボノにマッチしやすい」、そして「こんなプロボノが成果を出しやすい」、といったNPO団体にとって今後の参考になるようなヒントも示してくれる講義でした。

個別相談:マーケティング施策のブラッシュアップ

午後からは講師の長浜さん、そして事務局サポーターの面々が各団体とのぶつかり稽古「個別相談」です。1団体当たり10分の面談を3回ずつ行いながら、それぞれの団体の課題を深堀りし、方向性を絞っていく作業を行います。団体がこれから課題解決を目指したマーケティング施策を立案、実施していく課題を明確にしていきました。

9月3日には「個別相談」の方向性を踏まえたマーケティング施策の骨格をもって、「中間報告会」が開かれ、その後各団体はそのマーケティング施策を実行し、その結果または途中経過を12月に報告する機会が待っています。

マーケティングプログラムは研修だけ、「座学」だけで終わるプログラムではありません、と金村さんのメッセージをNPO団体の皆さんも実感し始めた時間だったと思います。次回集合するのは、9月3日の中間報告会。そこで、さらに踏み込んで考え抜かれた課題とその課題への取り組みの方向性を聞くことが、今から楽しみです。

参加6団体の皆様、2日間本当にお疲れさまでした!

★長浜講師のブログでも研修について紹介されています!
NPOマーケティングプログラムの前半戦が終了!| 飛耳長目:アメリカにみるNPO戦略のヒント http://blog.canpan.info/hijichomoku/archive/473

★当日様子をNPOサポートセンターのインターン生が、ツイートでまとめています♪
http://togetter.com/li/171746

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