NPOマーケティング施策立案「中間報告会」

9月3日(土)、「NPOマーケティングプログラム2011」全3回の集合研修を通じ、各団体がそれぞれどのようなマーケティング施策を立案したか発表をする「中間報告会」を実施しました。明確になった団体が抱える課題内容に対するマーケティング施策とは。中間報告会の模様を報告します。

NPOマーケティング施策立案「中間報告会」

○ケア・インターナショナル ジャパン
 「既存スポット寄付者と新規若年層をターゲットとした、MGP支援者(マンスリー支援者)の増加」

○日本ブラインドサッカー協会
 「ブラインドサッカー地域展開の支援マーケティング」

○フェアトレード・ラベル・ジャパン
 「2015年中期目標達成に向けた、新規企業獲得および市場拡大のための認証・ライセンスサービスの改善」

○キズキ
 「NPOキズキの受験支援事業へのマーケティング施策」

○NPOカタリバ
 「個人向けファンドレイジングについて−賛助会員の新規獲得・サービス拡充を中心に−」

○ADRA Japan
 「現地のニーズに沿った活動をするために、特典と広報の見直しを通してマンスリーサポーターの増加させ、賛助会員の減少を食い止める」

◆「既存スポット寄付者と新規若年層をターゲットとした、MGP支援者(マンスリー支援者)の増加」

公益財団法人 ケア・インターナショナル ジャパン

団体の内部分析を通して、「資金源構造の不均等」と「不安定な収入源」が団体の弱みであると認識。それに対して「既存」「新規」それぞれ詳しく定めたターゲットに対して、どのようなマーケティング施策を実施するのか。強みである「既存支援企業」を中心とした繋がりを、個人の「新規支援者」までアプローチする施策など、KPIも定めながらの発表でした。

今後さらにつめていくにあたっては、「分析結果から出てきた目標数値」が「団体として目指したい目標数値」であるのか、ということも視野にいれて考えていって欲しい、と講師の長浜さんよりコメントがありました。

◆「ブラインドサッカー地域展開の支援マーケティング」

日本ブラインドサッカー協会

地域のブラインドサッカーを盛り上げるに当たり、協会が主催している地域リーグや日本選手権について現状分析を行い、各地域リーグの現状を把握に力を入れる。今後は関東リーグの新しい試みをモデルケース化し、それを地方に合った形でマニュアルを作成し、地域展開の支援を考えています。地方展開の足がかりとして、地元のプロサッカーチームとつながりの強い、九州・四国リーグでマニュアル作成・導入を開始します。

講師の長浜さんからは、地方展開に際してのマニュアル作成について、その中身を考える上でまず大切な「その意味と効果」、そして「それを使いこなすための人材の育成」についても考えて欲しいとアドバイスがありました。

◆「2015年中期目標達成に向けた、新規企業獲得および市場拡大のための認証・ライセンスサービスの改善」

特定非営利活動法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン

団体の中長期目標の達成に向けて、まずは競合となる認証制度について分析し、ターゲット(社会、企業、行政、生産者)のうち、企業への施策の必要性を認識。企業に視点をおいた競合分析を行い、自団体の問題点を整理した上で、「認証・ライセンス事業」における企業向けの案内書の改訂とプロセスの統一化を図ります。これによりフェアトレードのライセンス申請企業の負担を軽減させるなどの施策を実施します。

長浜さんからは、現状分析は他の認証制度と比較し、参加企業数や認証制度の違い、広報におけるサービス数や認知度などを分析しており、わかりやすかった。ただ、実際の施策はBtoBマーケティングの部分を強く含むものになることが予想されるため、どう訴え、どう共感してもらうか、をより深くつめていくとよいと思う、とアドバイスがありました。

◆「NPOキズキの受験支援事業へのマーケティング施策」

NPO法人 キズキ

団体の課題として、唯一の自主事業である受験支援事業の拡充が必要と認識。広報強化だけでなく、問い合わせからのサービス提供まで一貫した顧客対応マニュアルを作成し、顧客の取りこぼしを減らす施策を実施する、と発表。さらに寄付についての施策もウェブ対策などを含め取り組んでいきます。

長浜さんからは、全体として具体的な数値の提示が少ないので、ターゲット設定に伴う数値(セグメンテーションした市場の規模など)などを示すと、制作物の量などの判断も根拠あるものになる、というアドバイスがありました。

◆「個人向けファンドレイジングについて−賛助会員の新規獲得・サービス拡充を中心に−」

特定非営利活動法人 NPOカタリバ

現状分析として収入の内訳を分析したところ、事業収入の割合が大変大きく、会費/寄付による収入の割合がまだ大きくないため、そのところに取り組むべき課題があると認識。また賛助会員(支援者)においては大学生ボランティアのOB/OGであることが多く、カタリバに興味を持ってもらえた一般の方々にどう広めるかが課題にあがりました。賛助会員へコンバージョン率の上がる導線をはったウェブページの改善に取り組んでいく施策も提示されました。

会場からは、ウェブアクセス数の多いカタリバに対して、ユーザーの属性についての質問や、長浜さんからは目標金額の設定の根拠などについての質問がありました。また目標の設定についてルート別の獲得目標数など、報告もわかりやすく、今後さらに進捗管理ができるようなシステムに発展させてほしいとアドバイスもありました。

◆「現地のニーズに沿った活動をするために、特典と広報の見直しを通してマンスリーサポーターの増加させ、賛助会員の減少を食い止める」

ADRA Japan

安定的な自己資金、支援地域のニーズに沿った活動のための調査費用の確保のために、会費と使途指定がない寄付金を増やしていくことが課題であると報告。具体的には(1)マンスリーサポーター(使途指定がない寄付)、(2)賛助会員を増やす。この2点について施策を実行していきます。広報ツールの強化施策を展開し、特に積極的な広報が足りなかったマンスリーサポーターの増加を狙います。

長浜さんからは、現状分析におけるターゲット設定の根拠が少し弱いので、もっと多角的に分析、深堀りしてもらいたい、とのアドバイスがありました。

以上、6団体の「中間報告」の概要となります。

中間報告会後は、各団体今回の報告会で得たアドバイスなどを元に、立案したマーケティング施策の内容をさらにつめながら、実行に移していきます。「NPOマーケティングプログラム」事務局も、各団体との個別相談会やグループコンサルティングを定期的に実施しサポートを続ける予定です。

次回全員が集まるのは12月の「最終報告会」。それまでに各団体が、どのようにターゲットを絞り込み、目標の設定を行い、マーケティング施策の実行に対して進捗管理を定期的に行います。ここから周囲の関係者や支援者、社会を巻き込み、共感してもらえるものを実行していけるのか、今から楽しみです。

★長浜講師のブログでも研修について紹介されています!
『NPOマーケティングプログラム2011』の中間報告会を実施!| 飛耳長目:アメリカにみるNPO戦略のヒント http://blog.canpan.info/hijichomoku/archive/485

★当日様子をNPOサポートセンターのインターン生が、ツイートでまとめています。↓
http://togetter.com/li/183505

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