【成果報告】NPOマーケティングフォーラム2011開催!

これまでこのブログで経過をご報告してきた「NPOマーケティングプログラム2011」。半年間の総まとめとして、去る12月17日(土)、プログラム参加6団体からの「成果報告会」を実施致しました。当日は「NPOマーケティングフォーラム2011」と銘打ち、別会場にて「NPOのためのマーケティング・サービス フェア」も同日開催。NPOのキャパシティビルディングにつながるヒントをたくさん盛り込んだ一日として、来場者数230名という大盛況のイベントとなりました。

NPOマーケティングプログラム2011「成果報告会」発表内容

1.新規若年層と既存寄付者をターゲットとしたマンスリー支援者の拡大
2.ブラインドサッカー地域リーグにおける地域展開の支援マーケティング
3.2015年中期目標達成に向けた新規企業獲得
4.マンスリーサポーターを増やせ!-単発寄付者を定期支援者へ-
5.個人向けファンドレイジング
6.スタートアップNPOの事業展開施策 

【第一部】NPOマーケティングプログラム2011 成果報告会

午後1時から始まった「NPOマーケティングプログラム2011 成果報告会」では、この6月から半年間、本プログラムに参加していた6団体が、それぞれの施策とその成果について報告を行いました。開始時刻には満席の会場。NPO団体の事務局長やスタッフ、NPOの活動、NPOマーケティングに関心のある社会人、学生など、様々な方が詰めかけ、各団体の報告に熱心に耳を傾けていました。

◆開催の挨拶

当センターの副理事長 菅原敏夫より開会の挨拶の後、共催企業のパナソニック(株)で企業市民活動(社会貢献活動)を担当されている、社会文化グループ 参事の金村俊治氏より、本プログラムの狙いについて説明がありました。

NPOマーケティングプログラム参加NPOは次の4点の達成を目指し、キャパシティビルディング(組織基盤強化)に力を入れてきました。
(1)自らが日常的に情報収集することができる仕組みをつくる
(2)その情報、データに基づき、思い込みではなく、事実に基づいた戦略立案を行う
(3)活動のあらゆる面において競合の存在を意識するようになる
(4)常に施策の見直しを行いながら、さらに改善し続ける

◆報告:「事業を強化するNPOマーケティングとは」

今年度の成果報告の前に、(特活)NPOサポートセンターの事務局次長 田邊健史より、過去3年間(2008年〜2010年)の本プログラムの参加団体(28団体)を対象とした「NPOマーケティング」導入効果に関する調査を報告。NPOの抱えていた課題と、プログラムによってもたらされた変化、結果について解説し、そこから見えてきたプラスの効果などを紹介。さらに2011年までの経緯、プログラムの全体像を参加者の皆さんへの説明をし、成果報告に移りました。

【1】「新規若年層と既存寄付者をターゲットとしたマンスリー支援者の拡大」

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン
http://www.careintjp.org/ 

<ケアが抱えていた課題>
・“新規”個人支援者数の伸び悩み
・年々進む“既存”支援者の高齢化
・助成金と政府系資金が大半を占める収入のバランスの改善

“低額で気軽に”支援に参加できる月次支援「マンスリー・ギビング・プログラム」の参加者拡大に取組み、継続的な支援者層の拡大を目指しました。「NPOマーケティング研修」での学びを活かし、アプローチするターゲットを具体的に設定。新規若年支援者と、既存寄付者それぞれに適したアプローチ方法を実施しました。

新規開拓には、ソーシャルネットワークサービスの活用を開始。Facebook広告にチャレンジをし、ファンページのイイネ!の応援者は38人から432人になり、本体ウェブサイトのアクセス数も20%増となりました。既存の寄付者に関しては、交流イベントを通じて、会員参加キャンペーンを実施したことで、9名の継続支援者獲得につながりました。

【2】「ブラインドサッカー地域リーグにおける地域展開の支援マーケティング-地域における『応援者』の獲得-」

日本ブラインドサッカー協会
http://www.b-soccer.jp/ 

<ブラサカが抱えていた課題>
関東リーグの取組みが軌道に乗ってきたブラインドサッカー。関東で培った成功ノウハウの地域展開に挑戦しています。地域のリーグ実施状況を地域のキーマンから調査・分析し明らかになった課題は4つ。
・ 大会運営方法がわからない
・ スタッフ / ボランティアの数が少ない
・ 観客が関係者のみ
・ 観戦は無料のため、安定した財源がない
ここから見えてきた最大の課題は観客/ボランティア/スタッフ/スポンサーといった「応援者を獲得する必要がある」ということでした。

「応援者」獲得において、地域の要望(優先順位)が高い、小口協賛や個人協賛を募る「地域営業マニュアル」作成に取組みました。「営業」の目的は財源の確保だけでなく、大会開催地におけるブラインドサッカーの認知/普及及び地域とのつながりが強化を狙います。


「関東リーグ」で実施した小口営業のノウハウを活かし、他地域でのテストマーケティングを実施。関東のノウハウをローカライズした「地域リーグ運営マニュアル」作成の足がかりとして、2011年12月末に宮城県仙台市で行われるブラインドサッカー「アジア選手権」がテストマーケティングの地となりました。

ノウハウ化した営業の効果は大きく出ました。アプローチした地域の店舗の81%がポスター掲示を快諾いただき、関東での取組みを越えた協賛金額の獲得も実現しました。

今回のアジア選手権大会での結果を得て、「営業マニュアル」を地域展開に向けて、さらにブラッシュアップしていきます。また、大会運営を支えるボランティア募集も「アジア選手権」でテストマーケティングを実施。ボランティア募集を始めとして、大会運営に必要な項目のマニュアル整備・追加を今後も行っていきます。

【3】「2015年中期目標達成に向けた新規企業獲得および市場拡大のための認証・ライセンスサービスの改善」

特定非営利活動法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン
http://www.fairtrade-jp.org/ 

<FLJが抱えていた課題>
・ 企業にとって、コスト、安定供給、品質等あらゆる面でFLJの認証ライセンスが「高リスク」と見なされている
・ フェアトレードの価値・概念が十分に理解・評価されていない
・ 提供する広報サービスと企業ニーズとのミスマッチが起きている

今回、フェアトレード・ラベル・ジャパンが最優先課題としてターゲット設定したのは「企業」。新規導入企業の獲得と、既存企業との関係性の拡大・深化に取組みました。企業にとってのフェアトレードの価値を分析し、企業のニーズ把握に取り組みむために、フェアトレード認証製品取扱企業94社から「聞き取り調査」(アンケート)を実施。今後の既存企業との関係性の強化、新規企業獲得に向けた情報発信に活用していきます。

また聞き取り調査から、「認証ラベルの認知度の低さ」と「概念や価値への理解」の点が団体の課題として浮かび上がります。「企業」を意識しつつ、「消費者」への認知・理解拡大の取組みの必要性が明確になりました。

「消費者のラベル認知を向上させること」が課題であることが浮き彫りになり、窓口となる団体ウェブサイトの改訂、フェイスブックページの開設を行いました。応援者とのコミュニケーションに力を注いだことで、フェイスブックからHPを見にくる人の流れが生まれています。

今後は、情報発信強化の核となるフェイスブックの充実、改善による更なるコミュニケーションを創出していきます。また、聞き取り調査の結果を共有、発信することで既存企業との継続的関係を築くと共に新規企業を開拓していく予定です。

【4】「マンスリーサポーターを増やせ!-単発寄付者を定期支援者へ-」

特定非営利活動法人 ADRA Japan
http://www.adrajpn.org/ 

<ADRAが抱えていた課題>
・ 団体の収入の多くを助成金に頼る、偏った収入構造
・ 助成金は活動地域の現地調査のリサーチ活動には充てられない

ミッション「人間としての尊厳の回復と維持」を実現するためには、サービス受益者のニーズに沿った活動が必要。このための自己資金となる、活用の自由度が高く、安定した資金となる「マンスリーサポーター制度」の増加を狙います。「単発寄付者」、「イベント参加者」をターゲットに設定し、チラシ等のDM郵送やイベント内でのアピールといった、広報、コミュニケーションを中心とした施策を実施しました。

マーケティング施策実施によりアプローチ層から、新規で17名がマンスリーサポーターに加入しました。また今回の施策実行、分析から次の3点がADRAの場合明確になりました。(1)単発寄付者層がマンスリーサポーターへの加入率がより高い。(2)単発寄付者層の中でもイベント参加者にはより効果的な施策であった。(3)その一方で単発寄付者層と比べると、イベント参加者への働きかけは成果が出にくいということが見えました。

【5】「個人向けファンドレイジング -あなたの月1000円が、10人の高校生の“未来”を変える-」

特定非営利活動法人 NPOカタリバ
http://www.katariba.net/ 

<カタリバが抱えていた課題>
・ 「赤字の構造」となっている事業収入の不足分は、助成金や大口の企業寄付が補っている不安定な現状
・ 個人の新規寄付者を獲得していくための仕組みが未確立
未開拓の個人支援者獲得による収益構造の改善と、ビジョンとして掲げる「社会全体で教育を支える」担い手の増加を実現するため、個人向けファンドレイジングを強化しました。

マーケティング施策の核となる「個人寄付者」のターゲット分析として、既存のカタリバ寄付者にヒアリングを実施し、「20代後半~30代」「男性」「高学歴・高収入」「社会貢献意識が高いが、ビジネスで活躍していて忙しい」といったターゲット像が明確になりました。さらにカタリバが提供できるベネフィットを明確にし、具体的に個人寄付者層へのアピールを高める次の3つの重点施策を実行。(1)メディア露出への継続的な取り組みにより、認知度の向上。(2)メルマガによる継続的な情報発信。現場の声を伝えるストーリーを伝える形で支援者に届ける。(3)「寄付募集」ウェブサイトのリニューアル。

施策実行結果により、月間新規サポーター数は約2倍になりました。読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、週刊ダイヤモンド、日経ビジネスアソシエ、日経ウーマンなど多くのマスメディアへの露出。また、「寄付募集」ページのリニューアルにより寄付者へのコンバージョン率が上がりました。 “高校生の変化”などカタリ場など現場で起こっていることを届けるメルマガも一般向け・寄付者向けと月3回発行しています。今後は、2012年3月までに、「寄付者募集」ページのコンバージョン率0.2%サポーター数260人を目標としてこれからも継続的に取り組んでいきます。

【6】「スタートアップNPOの事業展開施策 -中退・不登校などで悩む若者支援事業-」

特定非営利活動法人 キズキ
http://kizuki-juku.com/ 

<キズキが抱えていた課題>
・ サービスの受益者となる中退・不登校などで悩む若者へのリーチの難しさ(サービスの認知・告知が難しい)
・ 生徒への動機付けの難しさ(学校も塾も中退した経験のある若者への動機付け。退塾率の高さ。)

顧客獲得に苦戦していた「中退・引きこもり等の若者向け受験支援事業」に、マーケティングプログラムで学んだサービスマーケティングのフレームワーク7P分析に基づき、策定した施策を徹底的に実行した。特に「サービスプロセスの検証」を行い、【問い合わせ⇒来塾⇒入塾⇒継続】の流れを見直した。ウェブサイトの改訂から始まり、問い合わせ者の取りこぼしを減らす取組み、「退塾防止マニュアル」作成など、運営サイドの仕組みづくり構築に力を入れていきました。

結果、NPOマーケティングプログラム参加前は2名だった生徒が、12月の時点で15名に増加する成果が出ました。「現状を分析し、フレームワークを作り、そして実施する」という当たり前のことを当たり前にやると成果がでる。知識としての理解だけでなく、経験として実感することができた6ヶ月間でした。

◆修了式

どの団体も半年間でマーケティングの視点を持ち、団体の基盤を強化するための施策を立て、実施していくという流れをつかみ、大きな一歩を踏み出したことが伺える成果報告会でした。ここからが、各団体の事業が社会でインパクトを出していく新たな一歩となっていきます。

★各団体のプレゼンテーションについては、動画で公開しています。

当日の詳細(Twitterまとめ)はこちら→ http://togetter.com/li/229061 

【第二部】NPOのためのマーケティング・サービス フェア

「NPOマーケティングフォーラム」は成果報告会を持って第一部が終了。第二部は「NPOのためのマーケティング・サービス フェア」と題し、
NPOの活動をサポートするサービス・ツールを提供する企業・団体、
11社がブースを構え、デモ体験や導入サポートの相談などもできるイベントを開催しました。

NPOスタッフの方、プロボノ・ボランティアの方、
NPOをサポートしたいと考えている企業の方など、
「熱意」や「能力」、「ツール」と「ヒト」がつながる場として自由に交流できる機会となっただけでなく、第一部で成果報告をした各NPO団体のスタッフとの交流スペースや、ブースに相談しに行く前にツールを簡単に紹介してくれる「サービス紹介セッション」など盛りだくさんの内容でした。

ブースの中には10人待ちの大人気となるブースがあったりと、終了時刻まで会場は人が途切れず交流が続くなど、参加者のみなさんのマーケティングツールに対する関心の高さを感じるイベントでした。

今回このフェアにブースを構えた参加団体は以下の通りです。
※詳細な内容はこちらになります⇒ http://goo.gl/EPx3B

◆紹介サービス・ツールと出展企業・団体

◇データベース(支援者の情報管理やアプローチツール)

●株式会社スカイネット(製品提供)
http://www.skynetjp.co.jp/index.html

●セールスフォース・ドットコム ファンデーション(製品提供)
http://www.salesforce.com/jp/company/foundation/

●特定非営利活動法人日本NPOセンター(製品紹介)
http://www.jnpoc.ne.jp/

●株式会社ファンドレックス(導入支援)
http://www.fundrex.co.jp/

◇オンライン決済(Web上での決済システム)
●株式会社Cloud Payment(サービス提供)
http://www.cloudpayment.co.jp/

◇グループウェア(ファイル・スケジュール共有、タスク管理等)
●サイボウズ株式会社(製品提供)
http://live.cybozu.co.jp/

◇広報(Web、ソーシャルメディア)
特定非営利活動法人NPOコミュニケーション支援機構(広報相談等)
http://www.a-conweb.net/

●合同会社コーズ・アクション(広報相談等)
http://cause-action.jp/

●テントセン(ソーシャルメディア活用相談)
http://www.ikedahayato.com/?p=2445

◇データベース・オンライン決済・広報
CANPAN(サービス提供)
https://canpan.info/index_view.do

●株式会社ソノリテ(製品提供・導入支援)
http://www.sonorite.cc/

★NPOマーケティングに関する情報はFacebookページ【NPOのキャパシティビルディング支援 】にて継続的に情報を共有いたします。よろしければ「いいね!」をクリックください。
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(情報発信ボランティアSTAFF Miho FUKUDA

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